お知らせ
倉庫下屋の柱交換工事
2023.11.06
前回の記事、倉庫屋根への波板カバー工法のお客様から追加工事を頂きました。今回は同倉庫の老朽化した柱を撤去し新しい柱を取り付けする工事のご依頼です。お客様から話を伺い案内して頂いたのがこちらの柱。
全体を見渡してみると割れや腐食部分が見受けられます。60年間にわたり屋根の部材荷重を支持しコンクリート製の独立基礎に伝える業を担い続け、時には過酷な悪天候に晒されながらも耐えてきたのだと思います。長い間お疲れ様でした。そうこうしてるうちに現況の調査も完了。
後日、お客様から支給して頂いた柱の資材をトラックで工場へと運搬。到着次第、作業台へと積み降ろし一息付きます。作業台の上に載る木材を方向を変え目視で素性調査を行います。柱を垂直に立てるには生育中と同じ状況に合わせなくてはなりません。そのために木の先端と根の方向を見分け判断し決定します。そして無垢材ゆえに反りや捻じれも生じています。この木だけが持つ特性を知った上で整形加工の工程に移ります。加工に用いる機械はNISHINO社製万能木工機、木材の木目を鮮明に引き出しさらに幾つかの製材工程を経て木造軸組工法の柱らしく木材の断面が均一に正方形にすることが出来ます。
工場での工程を完了し柱材となった木材は再びお客様の倉庫へと戻ってきました。次の工程は既存の柱の取り外しです。軒桁の真下にジャッキを据え付け、ジャッキの上に支柱を載せジャッキアップで軒桁を上昇させると桁の高さ程の柱のホゾが姿を現します。ホゾを全て抜き取り既存柱の取り外しは無事完了です。次は工場加工済みの柱材を現場で現況に合わせ調整し加工します。柱の長さやホゾの長さを計測し機械や手道具を使用しての作業です。そして柱の位置を決定するために下げ振り等を使い独立基礎の上面に線を引き、いよいよ取り付け作業です。柱を独立基礎の上に建て、軒桁のに柱のホゾを差し込みオイルジャッキのバルブを緩めると軒桁は自重による降下を始め柱に屋根材の重力を伝達します。最後に予め基礎に引いた線を基に柱が垂直か否か再確認し無事完了しました。
そして完成はこちら⇩
軒桁と柱の補強として金物を取り付け、柱の下部と基礎の間にはパッキン材を取り付け雨水など極力吸い上げないように対策しました。これからも更に長持ちして頂きたいと思います。